1/20「超・日本刀入門」内覧会レポ

静嘉堂文庫さんの特別展「超・日本刀入門 ~名刀でわかる 名刀で知る~」の内覧会にお誘い頂きました。

この特別展は発表時からTwitterでも話題に。
日本刀ブーム以降、ここまで熱心に初心者向けを謳った展示会は知る限り初めてなので、期待に胸膨らみます!

静嘉堂文庫へ

いよいよ迎えた当日。 アクセスは東急電鉄二子玉川or小田急電鉄成城学園前駅からバスがスムーズです。私は二子玉川から行きました。 改札を出て右に進むとモールがあり、抜けるとすぐバス停があります。 バスだと正門の手前に降ろされるので、少しだけ歩きます。 写真向かって左側へ進むと、立派な門構えが登場しました。こちらが正門。 dsc_3670 正門から本館までは5分くらい、緩い坂道です。道すがら、季節折々の美しい景色を楽しむことができます。 panelimg 坂を登りきると現れる、趣のあるモダンな建物が静嘉堂文庫です。 DSC_3682_.jpg 静嘉堂文庫は建築家の桜井小太郎氏により大正13年に建てられました。 元々は旧三菱財閥を創立した岩崎家の私設図書館で、現在は図書館と美術館を併設しています。 俗世を忘れて読書に励めるよう、広大で美しい庭園や瀟洒な建物を整えられたのでしょうか。

レセプション~説明会

さて、美術館の方の入り口は静嘉堂文庫のお隣。 中は広々としており、正面に受付、入って左手が展示室です。 下へ降りる階段は一部ガラス張りになっていて、晴れた日は良い景色を楽しめます。 DSC_3691.JPG 高台に位置しているため見晴らしが良く、富士山が見えることもあるそう! まずは地下講堂で記者向け説明会。 静嘉堂文庫の成り立ちなどを伺った後、この特別展に寄せた河野館長のお言葉から、日本刀の美しさと共通する日本文化そのものの美しさについて思いを馳せました。 すんなり伸びた踏ん張りのあるような刀を「姿が良い」として美しいと思う背景には、日本人特有の丸みを帯びた美意識があるのかも知れません。 河野館長は「おしゃべり館長」という名で親しまれていらっしゃるそうで、講演はいつも大盛況とのこと。 2/5(日)に講演会があるそうなので、参加出来る方はぜひ。

展示室

諸注意などの後、展示室へ向かうと、入り口すぐの位置に色鮮やかな蒙古襲来図。 その反対側には読みやすい刃文・姿・地鉄(じがね)の見方解説パネル。写真つきで刀の見方について解説してくださっています。 中に入ると、広い展示室に選び抜かれた刀が約30振り。 壮観です。 dsc_3635 さすが三菱財閥のコレクションですね。ざっと目につく刀を並べただけでも 古刀は国宝の手掻包永伯耆安綱三池光世新藤五国光粟田口久国相州廣光… 新刀は源清麿虎徹堀川国広 …などなど名刀ばかりが目白押し。<展示品> 収蔵数の多い備前刀の数がさまで多くないことから、初心者に満遍なく色々な作風を知って貰おうという意図が感じられます。 展示室は4つのセクションに別れており、それぞれ見どころが違います。 ※参考までに/以降へガラスケースから30cm離れた地点で刃文が見やすいと感じた高さを記載
①太刀と刀
長光と清麿を並べ、太刀と打刀の違いについて/130cm
②国宝・重文の刀剣
国宝の手掻包永1点、重要文化財6点、押形つき/しゃがむ
③古刀の五ヵ伝
山城、大和、相州、備前、美濃の順に典型的な作を展示/太刀はしゃがむ 刀は100cm
④武将たちの愛刀
名だたる武将が所有していた刀剣を逸話とともに紹介/もっとも見やすい 140~160cm ※見やすい高さについては1/26時点の状態なので、後に変わっている可能性があります
国宝・重文の刀剣 dsc_3637 全ての刀の下にイラストと、見どころ、その位置を張り出してありますが「国宝・重文の刀」セクションでは研ぎ師・吉川永一さんによる精緻な押形と共に、砂流し(すながし)などの働きの位置などを示したパネルがあります。 押形を見るだけでも楽しいですが、実際に刀と見比べると「これが砂流しか!」「これが二重刃か!」と分かるようになり、他の展示を見てもより楽しめるようになりますね。 古刀の五ヵ伝 DSC_3639.JPG どこを見ても刀、刀、の光景に圧倒されていると、ややあって列品解説が始まりました。 静嘉堂文庫の学芸員さんが行う解説は、難しく感じがちな日本刀用語を噛み砕いて説明してくださるので、普段日本刀に触れない方にこそお勧めしたいです。 例えば、土置きを「マスキング」に例えて説明をされたり、つなぎ(刀身の無い鞘に入れておく木型)を使って太刀と打刀の差異を説明されたりと、見聞きして理解できるため、初心者に嬉しい解説だと思います。 今後も何回か解説を予定されているそうですので、ぜひご参加されてください。 公演予定(ギャラリートークはページ最下部) 日程が合わない方は、落語家の春風亭昇々さんによる音声ガイドもお勧めです。 落語家ならではの軽妙なトークと共に、しっかり日本刀について知ることが出来ます。

個別に気になった刀剣

個人的なお気に入り ・三池光世 詰んで冴えた地鉄に匂い出来の小丁字乱(こちょうじみだれ)がふわっと浮かび上がる。すんなりした姿も好き ・日置安吉 身幅(みはば)の広い刀身にてらりと詰んだ地鉄。刃文もぼんやり砂糖が掛かった羊羹みたい ・堀川国広 片切刃造り。大切先。雨竜(あまりゅう)と三鈷柄剣(さんこづかけん)の彫物。にゅるんとした雨竜が刀を這う姿が愛らしい ・源清麿 盛んな砂流しと地景(ちけい)が分かりやすく、見て面白い。長光と並んでも見劣りしない 忘れてはいけないのが、展示室入って横、他の刀を見守るように佇む「津田越前守助広」。 静嘉堂創設者の岩崎弥之助氏が、その昔同級生と口論になって刀で切りつけられた際、咄嗟にこの助広を抜いて棟で受けたそうです。そのため、棟から鎬筋(しのぎすじ)に向かって目視3mmほどの大きな誉傷(ほまれきず)があります。 特筆するほどの名刀では無いのですが、こうして弥之助氏の命を救ったことから、岩崎家の家宝として今も大事に守っているのだそうです。 他の誰にとっても名刀ではないものの、自分にとって大事だから家宝として守っていく気持ちは、私達にとっても身近な感覚です。思い入れあるものを大事にする心は、時代や立場が違っても変わらないものですね。
この刀を最後に展示室は一回り、ギャラリートークも終了。内覧会はお開きとなりました。 1時間と少しでは到底見て回るのに足りないので、再び足を運ばざるをえない小粋な仕様です。 帰りたくない、何時間でも居たい……

終わりに

これだけの名刀を初心者向けの解説つきでじっくり観賞できるのは、日本刀ブームの今だからこそかも。 ぜひこの機会に、静嘉堂の雰囲気も味わいつつ、お気に入りの一振りを探してみてください。 最後に、本内覧会にお誘い下さった週間ビジュアル戦国王さん、磯部深雪さんにお礼申し上げます。 なお、戦国王ブログさんの方でも内覧会の記事を掲載されるとのこと。要チェックですね!

<交通情報 東急電鉄二子玉川駅から>
4番乗り場より玉31、32系統。バスで210円。
dsc_3663
間隔は20分に1本程度、所要時間は10分程度。
時刻表はこちら

<静嘉堂文庫>
HP:http://www.seikado.or.jp/
会期:2017年1月21日(土)~3月20日(月・祝)
休館日:毎週月曜日(3月20日は開館)
開催時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで)
入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料

※特別な許可を得て撮影・掲載しておりますが、静嘉堂文庫館内は原則撮影禁止です

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