銘の種類いろいろご紹介

前回に引き続き、銘の話です。
前回、銘とは作者の名前や年紀を茎(なかご/刀身の下、柄にあたる部分)に刻んだもの……
という話をしましたが、それだけでなく銘には様々な種類があります。
少しややこしいですが、ざっとご覧いただき、そういうものがあるんだ!
ぐらいに覚えていただけると、実際に見た時、「コレのことか!」と
感動を味わえること請け合いです。それではどうぞ。

◆銘を入れる位置の違い

太刀銘(たちめい)mei-e1505057387848.png
佩表(はきおもて/太刀を佩いた時に表になる側)に入れた銘。

太刀は基本的に佩表に銘を入れる。

佩き表

※図のように吊るした時に、外側に向く方に銘が入ります。

mei2刀銘(かたなめい)

差表(さしおもて/刀を差した時表になる側)に入れた銘。

結果的に太刀とは裏表逆。

差表

※図のように腰に差した時、外側に向く方に銘が入ります。

◆作者本人(もしくはそれに近い者)が入れる銘

作者銘(さくしゃめい)
作者の名前を入れたもの。

代銘(だいめい)
作者の弟子などが、作者の承認を得て代わりに入れたもの。

紀年銘(きねんめい)
製作年紀を入れたもの。2月/8月と切ることが多い。

注文銘(ちゅうもんめい)
製作を依頼した者の情報を、作者銘と共に入れたもの。

所持銘(しょじめい)
所持者の名前を入れたもの。
例:義元左文字

受領銘(ずりょうめい)
朝廷から任命された官名を入れたもの。
大和守、和泉守、武蔵大掾などなど。

◆銘を残すための加工

折り返し銘(おりかえしめい)

orikaeshi

磨上を行った際に、銘を残すため、茎を折り返すようにしたもの。
銘が逆さに入っていたらコレ。

額銘(がくめい)/短冊銘(たんざくめい)
磨上を行った際に、銘を残すため、銘の部分を切り取って、新しい茎にはめ込んだもの。

貼り付け銘(はりつけめい)
額銘と同じく銘を切り取るが、周囲となじむように目立たなく貼り付けるもの。

◆主に後銘(作者以外が後年切る銘)

象嵌銘(ぞうがんめい)
多くは、磨上を行った刀に、金や銀で作者銘などを入れる。
江戸時代以降の慣習。

試銘(ためしめい)/ 切断銘(せつだんめい)/裁断銘(さいだんめい)
試し切りの結果を入れるもの。
江戸時代初期から流行したため、大和守安定や虎徹に多い。
「四ツ胴」「三ツ胴」などなど。
これは罪人の死体で行われたとされ「○○胴」「脇毛」などは重ねた死体が幾つ切れたか、もしくは切った死体の部位(固い部分であればあるほど高評価)を示す。

金粉銘(きんぷんめい)
漆に金粉を混ぜて書く銘。
明治~大正頃に流行した。
象嵌と違い、茎に傷をつけない。

朱銘(しゅめい)
朱漆で入れる銘のこと。象嵌と違い、茎を傷つけない。
原則的には大磨上無銘の刀に対し、後述の号銘や、鑑定家が極めた作者の名前を入れる。
桃山時代以降から使われている。

号銘(ごうめい)
刀の由来や伝承にちなんで入れる。

切り付け銘(きりつけめい)
刀の作者以外が、後年切り付ける銘。
主に所持由来や試し切り。


いかがでしたでしょうか?

色々あってややこしくも感じますが、刀剣展示のキャプションなどで「○○ってなんだっけ?」と思った時にご参照頂ければ幸いです。

短冊銘などはあまり見かけないものですが、見かけた時に知っていると通の気分を味わえてまた楽しいものです。

皆様の刀剣観賞がもっと充実したものになりますように。


監修:刀剣座談会

執筆:へび

参考/引用図:日本刀の掟と特徴(本阿弥光遜氏著/パブリックドメイン)

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